OpenAIのDecisions APIとは?分類・振り分け向けの新API、仕様と料金まとめ
✔ 事実確認済み(2026-10-27):記事中の事実 25 件を出典の本文と照合しています。
OpenAIのAPIに「Decisions API」があります。文章・画像・JSONを見て、「はい/いいえ」「どの分類か」「何点か」といった型の決まった答えを返すAPIです。問い合わせの振り分けや、コンテンツの分類を自動化したい開発者の方に向けた記事です。この記事では、できること、リクエストの形、料金、制限を、公式ガイドから整理します。
Decisions APIとは何か
公式ガイドは、Decisions APIを「テキスト・画像・JSONを評価して、型つきの答えを返すAPI」と説明しています。Responses API(文章を生成する従来のAPI)より約10倍速いとされています。アプリ側は、返ってきた答えを使って、内容の分類、リクエストの振り分け、作業の優先づけができます。
文章を自由に書かせるためのAPIではありません。あらかじめ決めた形の答えだけを、素早く受け取るための仕組みです。
自分で決めた形のJSONや、ツール呼び出しが必要な場合は、Decisions APIではなく、Structured Outputs(出力の形を指定する機能)や関数呼び出しを使うよう、公式ガイドが案内しています。
3種類の答え(出力タイプ)
答えの形は、次の3種類です。1回のリクエストで、複数の質問を並べて聞けます。
| タイプ | 返ってくるもの | 向いている場面 |
|---|---|---|
predicate(述語) |
条件が正しい確率(0〜1の値) | 「この文章は苦情ですか」のような、はい/いいえの判定 |
choice(選択) |
あなたが渡した選択肢のうち1つ、選択肢ごとの確率、confidence(確信度) |
順序のないカテゴリへの分類 |
score(スコア) |
2〜10段階の順序つきレベルに対する評価 | 緊急度や品質の段階づけ |
scoreは、各レベルの番号を確率で重みづけした平均として返ります。そのため、値がレベルとレベルの間になることがあります。
リクエストの形
公式ガイドによると、リクエストの基本は次のとおりです。
POST /v1/decisionsに送ります。modelにはgpt-6-lunaを指定します。inputには、テキストの文字列、またはメッセージ・ツール呼び出し・ツール出力を並べた配列を渡します。questionsに、聞きたい質問を並べます。各質問には、type、重複しないname、instructions(指示文)を入れます。choiceならchoices、scoreならlevelsも入れます。
返ってくる answers は配列です。各答えは、質問の name で見分けます。
入力できるのは、テキスト、画像、JSONです。画像は、base64のデータURL、または公開のHTTP/HTTPSのURLで渡せます。JSONは input_json で渡します。
使えるモデル
現時点で使えるモデルは gpt-6-luna だけだと、公式ガイドに書かれています。GPT-6 Lunaについては、OpenAIの新モデル「GPT-6 Sol」「GPT-6 Luna」とは?特徴・料金まとめで整理しています。
料金
公式ガイドによると、キャッシュされない入力は100万トークンあたり0.10ドルです。出力トークンには課金されません。
- キャッシュにヒットした入力は、割引された料金になります。キャッシュの書き込みには課金されます。
- 地域を指定して処理する場合の割増料金や、長いコンテキストの倍率が適用されます。
参考として、GPT-6 Lunaのモデル仕様ページには、入力が100万トークンあたり0.1ドルと書かれています。ただし、このモデル仕様ページにはDecisions APIの記載がありません。Decisions APIの料金は、Decisionsの公式ガイドを確認してください。
料金は2026年10月時点の公式ガイドに基づく内容です。変更される可能性があるため、利用前に必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。
提供状況・制限・注意点
公式ガイドは、Decisions APIが「一般提供(generally available)になった」と書いています。公開ベータの時期から、次の機能が加わったとされています。
- プロンプトキャッシュ
- 質問の指示文の中に画像を入れる機能
- JSON入力
- 公開されたURLの画像
- 会話履歴
- 利用状況のレポート
- GPT-Liveとの連携
- Private Link
対象となる顧客については、Zero Data Retention(入力データを保存しない設定)とHIPAA(米国の医療情報の保護に関する法律)の利用に対応していると書かれています。データの置き場所については、対応するすべてのAPIリージョンで使え、地域を指定した処理は、米国と欧州(EEA+スイス)で使えるとされています。
公式ガイドに書かれている主な制限は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1回のリクエストの質問数 | 1〜400件(ベータ時は200件) |
scoreのレベル数 |
2〜10 |
| 使えない入力 | ファイル、音声、アイテム参照、file_id での画像指定 |
input_json |
user メッセージでのみ使える |
| システムメッセージ | 開発者メッセージとして扱われる |
| プロンプトキャッシュ | 再利用する先頭部分が1,024トークン以上必要 |
質問の中に入れた画像は、input の画像と同じ上限を共有します。利用状況の num_model_requests は、質問の数ではなく、リクエストの数を数えます。
file_idで画像を渡すことはできません。すでにOpenAIにアップロードした画像を使っている方は、画像のURLかbase64に切り替える必要があります。
どんなときに使うか
公式ガイドが挙げている用途は、内容の分類、リクエストの振り分け、作業の優先づけです。たとえば、問い合わせが届いたときに、次のように質問を並べる使い方が考えられます。
choiceで、問い合わせの種類(料金・不具合・その他)を分類するpredicateで、返信を急ぐ必要があるかを判定するscoreで、緊急度を段階づけする
これは、公式ガイドの仕様から考えた使い方の例です。公式が紹介している実例ではありません。
よくある質問
Q. 文章を生成するAPIの代わりになりますか。 A. なりません。Decisions APIは、決まった形の答えを返すためのAPIです。自由な文章や、独自の形のJSON、ツール呼び出しが必要なときは、Structured Outputsや関数呼び出しが案内されています。
Q. 出力トークンにも料金がかかりますか。 A. 公式ガイドによると、出力トークンには課金されません。入力の料金だけが対象です。
Q. 使えるモデルは選べますか。
A. 現時点では gpt-6-luna だけです。
Q. 音声やファイルは判定できますか。 A. 公式ガイドでは、ファイルと音声は使えない入力として挙げられています。
まとめ
- Decisions APIは、テキスト・画像・JSONを評価して、型つきの答えを返すAPIで、Responses APIより約10倍速いと公式ガイドに書かれています
- 答えは、
predicate(確率)、choice(選択肢と確信度)、score(2〜10段階の評価)の3種類です - 使えるモデルは現時点で
gpt-6-lunaだけで、入力は100万トークンあたり0.10ドル、出力は課金されません(2026年10月時点) - 1回のリクエストで1〜400件の質問ができますが、ファイル・音声・
file_idの画像は使えません
分類や振り分けの処理を自分で作っている方は、公式ガイドを開き、自分の用途が3種類の答えに当てはまるかを確認してください。そのうえで、料金と制限を見て、試すかどうかを決めましょう。